相続登記、たとえ遺言があっても。。

今回は相続登記をするにあたって、たとえ遺言があっても決して安心できないという案件をご紹介ます。

本来、相続が発生した場合、遺言があれば他の相続人の了承なしに遺言書どおりの相続登記が出来ます。たとえ、相続に関して相続人間で話し合いがまとまっていなくても遺言があれば相続登記ができるはずです。

しかし、ここでこの物件につき法定相続による登記が入っていた場合はどうでしょう。
法定相続登記であれば、たとえ遺言によってその不動産の相続人でないとされていたとしても、遺言による登記がされていない段階であれば、法定相続分による相続人全員の登記が出来ます。これは、相続人ひとりからでも可能で、保存行為として相続人全員のための行為と考えられているためです。
この場合、遺言によって指定された相続関係が法定相続分による相続関係よりも優先して適用されます(民法900条)から、後にこの登記を覆すことは可能です。
この場合の手順としては、2つ考えられます。
ひとつは、他の相続人の了承を得て、所有権持分の更正登記をする方法です。
この場合、更正登記により持分が減るまたは失う共有者の実印、印鑑証明書、権利証が必要です。
ふたつ目の方法は、裁判をして判決によって「所有権持分を更正登記せよ」という判決をもらう方法です。
このように、たとえ遺言があっても遺言による登記をせずにいてその前に法定相続による登記をされてしまうとかなり面倒なことになるのです。立場を替えれば、遺言による登記の妨害としてはかなり有効ということになります。
よって、遺言があるからといって安心せず、相続が発生したらすみやかに登記手続きをすることをお奨めします。
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