遺言作成のすすめ

遺言とは、いうまでもなく、自身の財産等について、自身の死後どのようにして欲しいのか、自らの最終意思を表明するための書面です。遺言の作成をお勧めすることについて、「不謹慎である」という気持ちを持たれる方も多くいらっしゃると思います。たしかに、自分の死んだ後のことを考えるのですから、縁起でもないことであるかもしれません。

しかし、誤解を恐れず敢えてこのような記事を掲載することにはそれなりの理由があります。

というのも、私の経験から、相続で揉める事例の多くが、遺言書があれば問題が複雑化・長期化しなかったと思われるケースであったからです。


【ケース】

親Yが亡くなって、兄弟姉妹3名(A、B、C)が相続人。遺産として、土地建物(ここには長男A一家が住んでいる:評価総額500万円)と預貯金が500万円。長男Aはもちろん、長女Bも土地建物を相続したいと考えている。

この場合、遺言がなければ民本の原則どおり、A、B、C3名で不動産を共有することになります。こんなことは、A、B双方とものぞみませんから、不動産の帰趨が決まらず、長期化し、遺産分割調停→裁判へと泥沼化してしまうこともありえます。

ここで、親Yが、『土地建物は日ごろ私の面倒をよく看てくれたAに相続させる。預貯金はA、B、Cで均等に相続させる』という内容の遺言を作成していた場合には、この遺言書どおり相続がなされ、兄弟姉妹間でなんら揉めることはなかったのです。(もちろん土地建物を欲しがっていたBは不満でしょう。しかし、それは感情の話であって、法律的にBが土地建物を取得することはできません)


このように、遺言書を作成することは、円満な親族関係にも寄与することにもなるのです。

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